最強組織の法則/ピーター・センゲ

有名な本なので一度は読んでみようと手に取ってみましたが、ちょっと難解でした・・・原書自体が難解なのか、日本語訳の問題なのか。良い本だとは思いましたが、もっと平易な文章で書けばいいのに、と思ってしまったり。

  1. システム思考
    • 構造的要因が行動を形作る。だから、構造を変えれば、別の行動パターンを生み出すことができる。出来事中心の考え方が支配する組織では、精子得的学習は不可能である。生成的学習には「構造的」すなわちシステム思考が要求される。行動の構造的原因を見出す力が重要となる。
    • システム思考の基本要素として2つのプロセスがある。ひとつは「拡張フィードバック」。小さなことが徐々に大きく拡大していくようなプロセス。いわゆるグッドサイクル・バッドサイクルにようなもの。
    • もう一つは「平衡プロセス」。ある目標値に自動的に修正しようとする力。多くの場合、成長限界は平衡プロセスにある。平衡プロセスのルールを変えるために、制限要素を特定し、それを変えなければならない。レバレッジは拡張フィードバックではなく、平衡プロセスにある。
    • そして重要な概念が『遅れ』。行動と結果の間には必ず遅れがあることを理解する。蛇口のお湯が出ないからといって、蛇口をたくさん開けてしまうと、熱湯が出てきてしまうようなもの。
    • 他者が事象や力のみを見ているところで、行動の背後にあるパターンを見抜く。システム思考の技術は、複雑さや微妙さが増す構造を、多くの些細な問題や様々な圧力の存在する現実のビジネス環境の中で認識する能力にある。
  2. 自己マスタリー
    • 自己マスタリーに必要な2つの活動。一つは自分にとって何が大事なのかを常に明らかにすること。もう一つは、どうすれば今の現実の姿がより明確に把握できるようになるか、学習し続けること。
    • 二次的なゴールではなく、突き詰めた本来の欲求に焦点を当てられるだけの能力が自己マスタリーの基礎となる
    • 現実とギャップのあるビジョンを描く。ギャップ(クリエイティブ・テンション)は大きすぎても小さすぎても良くない。クリエイティブ・テンションのないビジョンなどありえない。
    • なし崩し的にビジョンを引き下げる圧力から逃れる。現実とのギャップ(クリエイティブ・テンション)とギャップが存在することによる精神的な不安(エモーショナル・テンション)を区別する。単なる精神的な不安により、ビジョンを引き下げるようなことを起こさないように。
    • ビジョンにこだわり続ける。自分のビジョンに忠実でありつづける。真実の姿にこだわり続ける。
    • 組織の自己マスタリーを育むためには、リーダー自身がモデルとなる必要がある
  3. メンタルモデル
    • ある時期における企業の成功は組織的学習のたまものであるが、時代が変わればそれまでの学習を白紙に戻す必要がある
    • 同時に、矛盾点をさらけ出すために真実を客観的に直視することも重要
    • 無意識に心の中に持っている『仮定』を絶えず問い直す姿勢が必要
  4. チーム学習
    • チームの知能指数は個人の知能指数をはるかに超える可能性がある
    • 意見交換で勝とうとしているのではない。ちゃんと意見交換をしていれば、みんなが勝つ
    • 意見交換に必要な3つの要素。1.自分の仮説を「呈示」する。 2.お互いを仲間とみなす 3.「進行役」の存在
  5. 共有ビジョン
    • 個人のビジョンを作り出すよう奨励する。誰も他人に「自分のビジョン」を与えることはできない
    • その上で、組織の中のあらゆる人々の個人的ビジョンと結びつくことで、組織としての「共有ビジョン」が形作られる
    • 共有ビジョンは決してトップダウンで与えられるものではない。各個人が共有ビジョンの形成に寄与することで、共有ビジョンが自分のビジョンとイコールになる